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2012年 12月 10日

The Art of Gaman 尊厳の芸術展

東京藝術大学大学美術館で昨日まで「尊厳の芸術展」が開催されていた。会期の最後のほうに出かけたので、もう、すごい人出だった。

2010年秋のNHK「クローズアップ現代」や、何週間か前に放映されたNHKの「日曜美術館」でご覧になった方も多いだろう。第2次世界大戦中、アメリカの強制収容所に隔離された日系アメリカ人が、砂漠の真ん中の収容所で、ガラクタや砂漠で拾った木ぎれや根っこ、花の種や貝などの限られた素材や道具を使ってつくり出した日用品や美術工芸品の数々を紹介した展覧会だ。

日系三世のデルフィン・ヒラスナさんが、母親の遺品の中にあったブローチを見つけたことをきっかけに、他の日系人を訪ね歩き収集した作品を、「The Art of Gaman」と名付け、ワシントンのスミソニアンアメリカン美術館のレンウイックギャラリーで展覧会を開催。そのことが「クローズアップ現代」で紹介され反響を呼び、日本での展覧会が実現したものという。

第1章が紙で作った花瓶やくずの木材で作った椅子や引出し、そろばんなど「生活に必要なもの」、第2章が絶縁ボードで作った花札、豆やひまわりのタネ、貝殻などで構成したブローチや指輪、ライオンや鶴、ヘビの置物などの「生活を彩るもの」、第3章は収容所の生活や風景を描いた「生活の記録」、そして第4章が手作りの仏壇や木製の刀、日本人形、硯といった「故国の文化」と、4つのパートに分かれていて、モノがない中での工夫や制作にいったいどれくらい時間がかかったのだろうと思わせる品々、どんな環境にあっても楽しみを見いだし、想像力をはばたかせた作品に、アートって何だろうと思わずにはいられない。
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サムライ人形 貝殻、木、ボトルキャップ
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来年は福島。仙台、沖縄、広島を巡回するとのこと。お近くで開催されるときはぜひどうぞ。

このあと、平櫛田中コレクション、渡辺好明遺作展「光ではかられた時」をざっと眺めて上野駅へ。上野公園はイチョウの葉の絨毯。動物園が近いためか、水で描いたゾウやパンダなどの動物の顔が楽しい。
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D40+Tam17-55mm

by sustena | 2012-12-10 22:16 | Art/Museum | Comments(4)
Commented by iwamoto at 2012-12-10 23:07 x
テレビで拝見。 人間って、こういうところがありますね。
あさっての記事で、sustenaちゃんのことをちょっと書きます。
もちろん、尊厳を持って!
なんでかって? 顔に見える写真を出したいからです。
Commented by sustena at 2012-12-11 21:07
「あさって」ということにビックリ。計画的にアップなされているのですね・・・・。思いつくままに書き散らし、誤変換のカタマリでアップしているワタクシは、そのことひとつとっても感嘆してしまったことでした。顔写真、興味しんしんです。ずいぶんと発想が違う顔だろうなー。
Commented by ken_kisaragi at 2012-12-14 00:12
創造に糧を求める、いい話ですね。
生活必需品だけではなく、みじかな材料で「故国の文化」を再現する、、なるほど。
ところでX-E1、EVFが見易いですね!大変ビックリしました。
Commented by sustena at 2012-12-15 00:36
kenさん、EVFは電源オンにしてすぐ撮りたい私としてはちょっとイラッとするときも゛ありますが、まぶしいとき以外は見やすいです!
それはそうと、Portrait of Nepal、うっとり~です。もう10年以上も前にポカラとカトマンドゥ方面に行ったときのことを思い出しながら眺めてます。


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