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2012年 05月 26日

『楽しき土壁 ― 京の左官親方が語る』

c0155474_21321863.jpg先日、『楽しき土壁 ― 京の左官親方が語る』(佐藤嘉一郎 聞き手 矢ケ崎善太郎 学芸出版社 2012年3月刊)を読んだ。

この本は、大正10年(1921)生まれで家業の佐藤左官工業所を継ぎ、数寄屋・土蔵の左官仕事に携わるとともに、重森三玲氏に師事し庭園史や茶の湯を学び、京都府左官工業協同組合副理事長・京都左官職業訓練校校長、京都林泉協会会長をつとめた佐藤嘉一郎さんへのインタビューをまとめたもの。

土壁に使う土はその土地土地で特徴があること、左官の仕事の進め方、仁和寺、玉林院などの茶室をめぐり歩きながら、かつての職人の仕事に思いをいたし、そして、これまでの人生の来し方を振り返ったもの。

土壁は吸湿性、吸音性にすぐれ、自然に温度調節がなされ、強度もあるし、火にも強い。言うことなしのエコ材料ではあるものの、乾くには時間がかかるし、一度に終わらない、手間暇がかかるということで、どんどん出番がなくなってきたのは無念なことだ。

「そこの大工仕事をみて、自分の仕事の格差をつけていくということが職人の技量です。格を知って、いいところにはいい仕事をする。下地の悪いところに、なんぼいい仕事をしても駄目」

「壁を塗るときは、手を動かさないで体を動かすんです。手首だけでちょこちょこ塗らないで体を動かして塗る。けれども下手な人は足までいっしょに動く」

職人ならではの話が聞ける。茶室の壁の話がおもしろかった。ただ、ちょっぴり編集が下手で、専門用語の解説があとさきだったり、話の流れがいまいちなところがあって、ところどころわかりにくかったのは残念だなぁ(私がモノを知らないだけかも)

家を思い通りに建てる機会があったら、ぜひ土壁にしたいんだけどなぁ・・・・。夢のまた夢である。

■1章 楽しき土のはなし:味わいのあるエコ材料
■2章 鏝は小さな手:幅広い左官の仕事
■3章 伝統とモダンの土壁:京の壁を歩く
"洞床は難しい仕事のひとつ"── 飛濤亭[仁和寺]
"黒錆はお歯黒かもしれない"── 遼廓亭[仁和寺]
"茶の湯の「聖地」にスサの壁"── 蓑庵[大徳寺塔頭玉林院]
"煙草王のモダンな迎賓館"── 長楽館
"築地塀の文化財修理現場をみる"── 東寺(教王護国寺)
■4 章 目先を変える日々:勉強と修業の駆け出し時代
■5 章 いつまでも鏝をもつな:親方になるということ
御礼とあとがき

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by sustena | 2012-05-26 22:20 | 読んだ本のこと | Comments(0)


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