2012年 03月 09日

Difference3.11 笹岡啓子写真展

銀座ニコンサロンで、Remembrance 3.11として、連続企画展をやっている。震災をどう記録したか、写真家が何を表現できるのか、何を問うたかを考えるシリーズである。
第1回は石川直樹さんの「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」で、第2回が笹岡啓子さんの「Difference3.11」。

笹岡さんは1978 年広島県生まれ。東京造形大学卒業。2008 年「VOCA 展2008」奨励賞受賞。10年日本写真協会新人賞を受賞しているひと。

笹岡さんが被災地に入ったのは、昨年4月。呆然としてカメラを取り出すこともできなかったそうだが、そのとき地元の方から「となりの大槌町はもっとひどい。広島に落ちた原爆が落ちたみたいだよ」という話を聞き、広島出身の笹岡さんはその言葉に驚き大槻町に向かう。

そこでは「遮るものが無くなって、町を囲む山並みだけがくっきりと見渡せた」。自分の目で見た光景は「テレビやインターネットで繰り返し見てきた被災地の写真や映像の印象とも違っていた」。そこで初めてシャッターを切ったという。遠くに見える山はかわらない姿だけれど、手前は、ずーっと瓦礫が広がる。以前見た石巻、女川、仙台の荒浜の風景がよみがえってくる。

笹岡さんはその後南下し、阿武隈山地へと撮影の場所を広げていく。福島は、津波の被害に遭った沿岸とはまた異なり、牧歌的な田園風景が広がるが、そこには誰もいない。

立ち入り禁止区域ではなかったとのことだが、その、しんとした様子、これが福島だと知らなかったら、不穏に感じることもないのかもしれないのだけれど、時がそのまま止まっていて、自然の時間だけが過ぎていく感じに、慄然としてしまう。

津波のあとと原発禍の風景と、ギャラリーを大きく2つに分け展示され、その違いを思う。1年経つというのに-----。カラー30点。
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by sustena | 2012-03-09 15:01 | Art/Museum | Comments(0)


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