2011年 06月 08日
先日、PARCO劇場で上演中の鈴木聡作・河原雅彦演出の「ぽっちゃま」を見てきた。主演は稲垣吾郎と白石加代子。 独自の美意識を持ったぼっちゃまと、彼の唯一の理解者であるばあやが織りなす喜劇とあって、「13人の刺客」の稲垣吾郎が意外によかったこと、白石加代子の怪演?とどんな丁々発止になるのか興味をひかれて出かけたんだけど、なんだかへんちくりんなものを見てしまったなぁ・・・。 舞台は、東京の郊外にある戦争で没落した地主の屋敷とその別棟。両親を東京大空襲で亡くした幸一郎(稲垣吾郎)は、ばあや(白石加代子)と二人きりで暮らしている。働かずとも、父の残した骨董を売って、何不自由ない生活が送れるのだ。恋人(高田聖子)はいるが、次々に別の女と寝ているためケンカが絶えない。そこに、腹違いの姉妹(谷川清美、大和田美帆)と額縁ショーのプロデュースやピンク雑誌の編集者の恋人と、銀行をやめてブラブラしている弟(中村倫也)が金の無心にやってくる。幸一郎は、いまの社会や拝金主義にヘキエキしていて、姉妹の恋人もうさんくさく思うが、結局は出入りの幇間あがりの骨董屋(柳家喬太郎)に茶碗を売り、金を用立ててやる。 ときは流れ、高度成長のころへと時代は移り変わるが、きょうだいたちはいつも幸一郎をあてにするばかり。彼の美学はどんどん時代と相いれなくなっていく・・・・。 幸一郎は独自の美学をもつエキセントリックなぼっちゃまという設定だけど、思っていたよりずっとまともで、美学らしい美学はなく、中途半端で物足りない。(もっとも稲垣吾朗のファンにとっては、着物からすっと足が伸びてるところとか、それだけで許せちゃうのだろう。長いセリフもそれなりにこなしてたっけ)。登場人物のめちゃくちゃくさくてオーバーアクションの演技も、わざとやってることはわかるけど、なんだかなぁ・・・・。信念もなくフラフラ、責任もとらずに甘ったれな戦後ニッポンを戯画化してるんだろうけどねぇ・・・。 でもピアノとアコーディオン、ピアニカの生演奏は楽しく、白石加代子の存在感はさすがで,柳家喬太郎のお銚子モンの軽さはそれなりに味があったよ。1列目真っ正面だったので役者の表情を堪能できたのがよかったかなー。 作:鈴木 聡 演出:河原雅彦 音楽監督&ピアノ:佐山雅弘 出演:稲垣吾郎/白石加代子/高田聖子/中村倫也/大和田美帆/谷川清美/福本伸一/小林健一/ 柳家喬太郎 /梶原 善
by sustena
| 2011-06-08 00:41
| Theatre/Cinema
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Comments(4)
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jmiin at 2011-06-08 05:23
岡本太郎さんの絵って、一目見ればすぐにわかりますよね。
これって表現者として、凄い事だと思います。 尊敬するひとりです。
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sustena at 2011-06-09 00:09
ほんと、離れていてもすぐにアッ、岡本太郎って思いました。ムンクと太陽の塔を足して2で割った感じ。
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ken_kisaragi at 2011-06-13 00:54
稲垣のぼっちゃん役、そう言う意味では当たりだったのでしょうか?
軽妙洒脱なぼっちゃんてカワイクナイような。 最近、芝居の世界はとんと縁が有りませんが、音楽は生なのですね。 ・・・ところでタローさん。やっぱりパワー感じますね。
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sustena at 2011-06-14 00:37
90%以上が稲垣ファンの女性だったような・・・。ノリのよいみなさんで、ちょっとしたことでも笑い転げていました。まぁ、お気楽にごろちゃん見物という気分でいくならいいんでしょうけど・・。
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