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2011年 05月 26日

宮崎 学「となりのツキノワグマ」

c0155474_07884.jpg銀座Nikonサロンで本日始まった写真展が宮崎学さんの「となりのツキノワグマ」。

宮崎学さんは1949年長野県生まれ。自然と人間をテーマに自然界の掟を真摯に見つめた『死』や『アニマル黙示録』などで有名で、児童向けのアニマルアイズ・シリーズに感銘を受け、7年前に長野の仕事場にお話を聞きにうかがったことがある。

今回の「となりのツキノワグマ」は、絶滅の恐れがあるとかなんとか思われているツキノワグマだが、どっこい人間社会のすぐ近くに生息していて、その実態を調べようと、独自の手作りの無人撮影ロボットカメラを何カ所かに設置して定点観測を行っている。

ハイカーが通る道に設置したデジタルカメラが写し出すのは、中高年のハイカーや子どもたち、その同じ道を、クマたちもせっせと通る。生物多様性が危機に瀕していて、食べるものがない? いやいや40年前のアルプスと今とを比べてみると、造林の手が入っていないぶん、今の方がクマたちの食べ物は多かったりする。そのことは、ホラ、糞を見てもわかる。(これがめちゃおもしろい! 宮崎さんはクマの糞を求めてあちこち歩く。他の動物とは明らかに違うんだって。以前、これはクマの糞じゃないかと、おばさんがケータイで撮った写真を見せてくれたけど、それは人糞だったそうだ)

ところでいったいどれくらいのクマがいるのか? クマの個体識別にチャレンジするために、人間の指紋に相当する鼻紋を撮影。たしかに、クマごとに違う!

クマたちは好奇心旺盛だ。設置してあるデジカメに近寄ったり、いじって壊していく奴もいるからたまったもんじゃない。自分で撮った写真じゃないからと、宮崎さんのことを写真家じゃないなんて陰口をたたく人がいるけど、とんでもない! 宮崎さんが開発したセンサーつきのカメラなくして、動物たちの行動はまったくわからなかったのだ。
クマの観察にあたっても、ドウガラシの袋を食いちぎったらシャッターがおりる仕組みの装置をつくったり、雌雄を識別するための股間盗撮カメラをつくったり(マタミールだったかな?)、媚薬?でクマをおびき寄せる「クマクール」では一晩に5頭もやってきて、417枚も撮影できたとか。

ことほどさように、宮崎さんは単なるネイチャーフォトのひととは一線を画している。動物のことを撮っているようで、ぜーんぶ、人間の社会を写し出しているんだよ。

好奇心イッパイにカメラを覗いてるクマの写真がサイコーだった。

宮崎さんのアトリエは、工具がいっぱいだった。
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オキーフみたい
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庭にもいろんな仕掛けがあった。
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宮崎さんと、クマの話の詳細は
宮崎学写真館「森の365日」
ツキノワグマ事件簿

by sustena | 2011-05-26 00:09 | Art/Museum | Comments(8)
Commented at 2011-05-26 05:55 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sustena at 2011-05-26 09:15
鍵コメさま、いつもありがとうございます<(_ _)>
Commented by higphotos at 2011-05-26 12:17
一枚目のアトリエ。羨ましいです。
最近、ちょっと機械いじりをしたいと思い始めているので、こういう部屋は憧れです。
工具イッパイって、結局、玩具が欲しいだけですけど。
Commented by Cakeater at 2011-05-27 19:02 x
宮崎学さんかあ、いいなあアトリエに行ったことがあるんですねえ。
学生のころからのファンです。
山の中で死んだ動物を見つけて、それが土へ帰るまでの長期リポート写真とコメントが一番印象に残ってます。この人、人間が転がっていて、息してなきゃ、同じ調子で撮るのかもしれないと興味を覚えたものです。
Commented by sustena at 2011-05-27 22:43
higphotosさん、私は機械はまるでダメなので、工具を使ってパパッといろんなものをつくってしまうひとは羨望のマナザシです。アトリエでは、カメラも無造作にあちこちにゴロゴロしてました。
Commented by sustena at 2011-05-27 22:49
Cakeaterさん、あの『死』は本当にすばらしかった! 強烈に印象に残りました。あまっちょろい自然観とは無縁で、クマの話も、なまじな専門家がおよびもつかない視点と実行力。あのエネルギーの100分の1ぐらいもらいたいデス。
Commented by Cakeater at 2011-05-28 10:48 x
正直な感想としては、宮崎さんてあんまり写真がうまい人ではないと思ってます。とにかく記録を残すという哲学で撮る人のようで、先にそこに世界があること感じ取り、捕まえようと努力して、とらえたその世界を知らしめようという表現そのものの写真なんですね。うまいけど、自己満足完結してしまい表現になってない「写真家」の対極にある写真家ですね。
URLに入れてありますアメリカの45歳のおばさんの写真も異世界の(春の日本庭園という題なんですが、その「春」感覚がまさに異世界)日本庭園美を感じ取り写真にしてる。。。ような気がします。ま、娘さん大好きな方で、なんでこんなところに娘さんを入れてくるんだというようなのはご愛嬌なんですがlol.
Commented by sustena at 2011-05-29 17:23
おお、まさしく視点優先のひとですね! カラスの巣を撮り歩いた写真もそうですね。


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