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2011年 05月 24日

李尚一写真展「光州 望月洞(マンウォルドン)」

銀座ニコンサロンで本日まで開催されていた李尚一写真展「光州 望月洞」は、実にイタクて、オモタイ写真が並んでた。

日本でいう光州事件、韓国ではあれは暴動ではなく、レッキとした軍事政権への民主化のための戦いだったとして「光州抗争」、あるいは「518光州民衆抗争」と呼ばれるらしい。

1980年5月18日に起こったこの「光州抗争」で、李尚一は、意に反して、軍人の立場で市民に銃口を向けざるをえなかった経験をもつ。全斗煥政権はデモ隊に発砲命令を下し、190人余りが死亡、900人余りが負傷した。この抗争の犠牲者は、家族や親戚などによって望月洞墓地に埋葬され、以降の民主化運動に生命をささげた青年らも、ここに葬られるのが慣例になり、やがては望月洞は民主化運動のシンボルとして、一種の聖地となっていったという。
作者はここで84年から現在まで、自責の念を抱えながら写真を撮り続け、命令と、青年たちへの共感で引き裂かれた痛みをモノクロプリントで描き出している。

韓国は火葬ではなく土葬である。こんもりと盛り上がった土の山が並ぶ共同墓地に雪が降る。土の生えたその山に菊が並び、そして散る。無念の思い、彼の地の「恨」の念がただよっているような風景。
壁に87枚の遺影が飾られていた。
c0155474_23414056.jpg


光州抗争について知ろうと調べた中で「光州民衆抗争と死の自覚」と題した文章が目に留まった。聖公会大学校教授の韓洪九氏が、惨めに敗北した戦いであった光州が、韓国の民主化運動史において輝きを持っているのは、「死ぬことすら殺してしまった」韓国現代史が、光州を通して、死が、われわれの周りに来たからだと記す。

by sustena | 2011-05-24 23:47 | Art/Museum | Comments(9)
Commented at 2011-05-25 05:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2011-05-25 10:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by esiko1837 at 2011-05-25 20:20
韓国ドラマにはまっていたときに、この光州事件が舞台のドラマもありました。
また、他のドラマでも光州事件という言葉が時々出てきます。
ドラマの詳しい内容も題名も忘れましたが、重苦しい雰囲気だけは覚えています。
実際にこの事件に関わった人が自責の念を抱えながら生きているのは辛いでしょうね。
写真を撮り続けているのは、贖罪の意味があるのでしょうか。
こういう写真展もあるのですね。
Commented by Lucian at 2011-05-25 22:39 x
歴史の深層は常に闇の中に隠されているもので、一握りの真摯な探究者のみが知るものです。
巷に伝わるのはでっち上げられた表層だけです。
Commented by Cakeater at 2011-05-25 23:17 x
光州事件を歌ってた白竜というロック歌手がいたんで検索してたら、
今度の東電がらみでいきなり連載中止になった「白竜」の方がでてきました。うわあ、これじゃあ、確かに東電政官源発マフィアから圧力かかる内容ですねえ。さすが2chだなあ。
【原発問題】『週間漫画ゴラク』の「白竜」 原子力マフィア編がお蔵入りに  消されたか・・・ (画像あり)
で検索すると読めます。
Commented by sustena at 2011-05-26 00:23
Pくん、写真集が出ています。でも、はげたモノクロポジみたいな遺影がズラッーと並んでいるところは壮観?で、これは書籍では伝わらないかもしれません。
Commented by sustena at 2011-05-26 00:24
esikoさん、映画でもこの光州をとりあげたものが、ここ最近になって出てきました。対象化するには時間がかかるに違いありません。
こういう写真展は、見るのがちょっとつらかったです。
Commented by sustena at 2011-05-26 00:28
Lucian さん、韓国の軍事政権時代や光州の話など、かつて何冊か本を読んだことがありますが、いまひとつピンとこなかった。こういうとき、写真のインパクトは強烈です。でも、もちろん、それでもわかりえないことのほうがが大部分だし、それもごくごく一面で、逆にミスリーティングなこともあるだろうし・・・。
Commented by sustena at 2011-05-26 00:31
おっ、Cakeaterさん、ありがとうございます! さっそくチェックしよっと。(それにしても、検索でこんなことまですぐに・・。恐ろしい時代です・・)


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