いつもココロに?マーク

sustena.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2011年 04月 23日

松尾スズキ演出「欲望という名の電車」

c0155474_23221566.jpg先日、PARCO劇場で、松尾スズキ演出の「欲望という名の電車」を見た。

テネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」は、4半世紀ほど前に、娘の様子を見に上京した両親を連れて、杉村春子がブランチをやり、北村和夫がスタンリーを演じた舞台を見たことがあるきりで、そのときは、もうかなりの年だったはずの杉村春子が、演じていくうちにどんどん若くなっていくのに驚いた記憶はあるものの、ストーリーはまったく記憶になく、なんだか゛やたら翻訳臭が強くて、いかにも新劇っぽいなぁという印象しか残っていなかった。

今回、松尾スズキ演出と聞いて、そういえば「女教師は二度抱かれた」も、この欲望・・へのオマージュみたいな作品だったし、しかも大好きな秋山菜津子がブランチで、これははまり役だよねーと、切符を取ったのだった。

とはいえ、原作にはかなり忠実で、冒頭の蛾を長い棒で追い回すシーンや(猫背椿がすごい迫力) 、スタンリーのポーカー仲間たちの酔っぱらいぶり、ブランチが結婚をと願う、ミッチ(オクイシュージ)の造形や、灯りをのばしてブランチの顔を照らすシーン、遊園地のデートの帰りに手にもった鳩がホンモノのところや、シーンの合間ごとに映し出される蛾や観覧車や、心象風景を観客に焼き付ける映像が松尾らしいかなとは思うものの、きわめてがっぷり四つに原作と向き合った演出で、私はこの作品が、こんなにリアリティをもって迫ってくるとは思いも寄らず、ブランチの秘密が少しずつあばかれていくのを、ひりひり痛いような気持ちで見ていた。

それにしても、秋山は、こんなふうに狂気のあわいで、崩れていく女性のなんと似合うことだろう。池内博之のスタンリーは暴力的で肉体美ムキムキのポーランド男がはまっていたけれど、かなーりダークな感じ。 ステラの鈴木砂羽は、最初はちょっとカタイ気もしたけれども、粗野なスタンリーにときには手を焼きつつもスタンリーの世界を受け入れる暮らしぶり、ブランチとスタンリーの関係に心を傷めるそのせつなさ、やりきれなさが自然な演技でよかったなー。

ブランチ・デュボア 秋山菜津子
スタンリー・コワルスキー(ステラの夫) 池内博之
ステラ・コワルスキー(ブランチの妹) 鈴木砂羽
ハロルド・ミッチェル〔ミッチ〕(スタンリーの友人) オクイシュージ
ユーニス・ハベル(上階の住人) 猫背 椿
スティーヴ・ハベル(ユーニスの夫) 村杉蝉之介
パブロ・ゴンザレス(スタンリーの友人) 顔田顔彦
見知らぬ男〔医者〕 河井克夫
見知らぬ女〔看護婦〕/メキシコ女 小林麻子
黒人女 桔川友嘉
集金人の若者 井上 尚


音楽/伊藤ヨタロウ
c0155474_2123944.jpg


by sustena | 2011-04-23 21:23 | Theatre/Cinema | Comments(0)


<< 視力検査?      がんばれ、日本───アンニョン... >>