2011年 02月 14日
ル・テアトル銀座で上演中の2月花形歌舞伎『於染久松色読販』を見た。 市川亀治郎が7役の早がわりに挑む話題の舞台で、発売すぐに売り切れになったと思っていたチケットが、その後、追加で出ていたのを発見し、やっぱり見たくなってゲットしたのであった。 ル・テアトル銀座は本来フツーの演劇をかけるところなので、花道やすっぽんはない。しかし、花道のない歌舞伎なんぞ考えられないので、舞台の下手側に、通常の半分以下の長さのものが用意されていた。でもあまりにあっけなかったなぁ・・・。すっぽんはさすがになくて、ホントはすっぽんを利用して早替わりを見せる場面、黒い仮設壁を利用していたけれど、まるで奇術みたいだったなぁ。 ところで亀治郎の演じる七役である。 お染・久松・竹川・小糸・土手のお六・貞昌・お光とそれぞれ衣装も違えば、化粧もちょっと違うし、年齢も性格も違う7役を演じ分けなければならない。しかも、出会い頭とか、傘やござを上手に使って、すれ違いざまサッと替わる。下手に引っ込んだと思ったら、上手からパッと出てくるわけで、観客は大喜びである。 しかし、お染と久松の道行の場面などは、片方は別の役者がやって、その間、後ろ向きでいなければならない(亀治郎とは動きがだいぶ違うので、すぐニセモノとわかってしまうのは残念)。だからちょこっと無理があって、楽しいけれど,マジックじみた早替わりに興味がいくぶん、心理の綾は薄れてしまう。まぁ仕方ないよねぇ・・・。 そういう意味では、それなりにじっくり役作りのできるお六はやっぱり精彩があってよかったなぁ。それと、お染めの母親役の貞昌も予想以上によかった。 お六の亭主、鬼門の喜兵衛を演じた染五郎は、こういうちょいキレ気味の役はぴったりだよね。 お染/久松/竹川/小糸/土手のお六/貞昌/お光 市川 亀治郎 鬼門の喜兵衛 市川 染五郎 髪結亀吉 坂東 亀三郎 船頭長吉 中村 亀 鶴 油屋多三郎 澤村 宗之助 女猿廻しお作 市川 笑 也 庵崎久作 市川 門之助 油屋太郎七 坂東 秀 調 山家屋清兵衛 大谷 友右衛門
by sustena
| 2011-02-14 23:14
| Theatre/Cinema
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Comments(4)
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Elizabeth
at 2011-02-15 00:02
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ふーむ、そういう仕掛けになっているんですね。行けない確率高いけど、やっぱり見たーいという気になりました。命あっての観劇ですから、多少の無理もなんのその?でしようか。sustena様の筆致は、魅力を語りつくしていますよね。
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sustena at 2011-02-16 00:19
Elizabethさま、これは早替わりを楽しむ芝居なので、奇術チックだって不満に思っちゃいけないのよね。夜の部のほうが内容的にはいいと思うんですよー(まだ見てないけど)。でも、亀治郎ファンならやっぱりこっちだよね。
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nuts-co
at 2011-02-17 11:07
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あ! いいなあいいなあいいなあ。私はチケットが取れなかった時点であきらめてました。あきらめちゃ、いけなかった。
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sustena at 2011-02-18 22:03
nuts-coさん、web松竹では、たまに売り切れになったはずのチケットが、ポロッと出てくるんですよ。どこかまとめてゲットしたところがさばききれずに戻したのか、それとも、全部ないとあとで困るので、招待席も含めていくつか確保してあるのをはき出すのか、よくわかりませんが。
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