2011年 01月 27日

曽根裕「雪」

座のメゾン・エルメスで曽根裕さんの「雪」と題した展覧会をやっている。

水晶による雪の結晶の彫刻が16個、大きいものは、50cm四方で高さが30cm弱、小さいものは20cm四方で高さが10cmちょっと。雪の結晶だからよく似てるけれど、じっと見ると、形が少しずつ違う。いずれも、エルメスビルの8階の窓からの光を受けて、明るく透明に輝いている。窓には紙にチャコールで描いた雪の結晶が貼られていて、まるで凧あげの凧みたい。それと、大理石でできたスキー・リフトの彫刻、アクリルのタブローが2枚。

一見、簡単そうだが、会場で配られたリーフレットを読んだら、あまりのたいへんさにクラクラしてしまった。

そもそも雪の結晶、ただ図鑑をみてこんな感じとササッと描いたものを彫ったっていうんじゃないんである。

まず雪の科学を中谷宇吉郎博士や、カリフォルニア工科大の科学者などの研究で学び、次に雪の結晶の撮影に挑戦する。

そのために、ニコンD10を購入。それにジャバラの延長レンズを2つ繋げて、,先端に200mmマクロレンズを連結することで、デジタルカメラを顕微鏡に改造。そしてレンズとカメラと三脚が完全に固定されるように改造を重ねたあと、G5をつなげた。そして、機材を降雪から守る小型オープンテントを購入し、それら一式をトヨタカムリに載せて冬を待った・・というのである。

そして水晶である。まず原料をゲットすることからしてタイヘンなのだが、入手した水晶を彫るにも、機械でイッキというわけにはいかない。表面が熱変化に弱く、すぐにクラックが入ってしまうため、表面温度があがらないように、常に水ををかけて冷却しながらの手作業が必要なんだそうだ。チームを組んで彫っていくが、めちゃ時間がかかるらしい。

こうして、16個。雪の結晶が空に舞う風景を表現するという、かなりトンデモナイ企てだったわけなのだ。
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by sustena | 2011-01-27 23:05 | Art/Museum | Comments(4)
Commented by esiko1837 at 2011-01-28 20:10
なんだか気の遠くなるような手の込んだ企画ですね。
今日、こちらは氷点下10度以下だったので
枯れ草の葉や茎についた氷だか雪が雲母状になって
それは綺麗でした。
持っていたコンデジで一応撮ってみましたが
まったくドーショーも無いようにしか写っていませんでした。
寒いです。
Commented by Lucian at 2011-01-28 22:23 x
スプレーでさっと吹きかける雪の結晶もどきの方が簡単でいいですね。
Commented by sustena at 2011-01-28 22:56
esikoさん、きょうはおそろしく冷えました・・・。
このあいだ写真美術館でみた、東川写真特別賞を受賞した小畑雄嗣さんの作品などは、降りしきる雪が結晶になっていて、きれいでした♪
Commented by sustena at 2011-01-28 22:58
Lucianさん、この作品は、贅沢にも太古の時間を封じ込めたような水晶を彫ったことに意義があるんだろうと思いますが、ここまでしなくても・・・という気分も一方であるのでした。


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