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2011年 01月 20日

ジョナサン・トーゴヴニク「ルワンダ ジェノサイドから生まれて」

銀座Nikonサロンで本日から始まった写真展。
15点のカラーの母子の写真が並んでいる。
笑顔の写真は1枚もない。どれも、いま現実の社会の底にあるものをじっと見つめているような、しんとした写真だ。あきらめているのか、いまを受け入れているのか、あなたはどうなのだと問いかけているのか、静かな表情。

母子だから、目や鼻や顔立ちが似ている。でもこの子どもたちは望まれて生まれてきたのではなく、ルワンダの虐殺のさなか、性的暴行の結果生まれてきた子どもたちだ。

自殺しようと思った、この子を殺してしまおおうと思った。だけど、できなかった。この子しか家族がいないから、生まれてみたら可愛らしかったから・・・。

子どもたちをなかなか愛することができず、苦しんだひともいる。子どもを養うために、売春をし、またも望まれぬまま子を授かったひともいる。親戚中から敵の子とののしられ、母子だけのくらしを決めたひともいる。
写真の隣に並んでいるインタビューから、それぞれの「あの日」と「その後」が語られる。

100日間で80万人以上が、隣人によって殺された。性的暴力の結果、生まれた子どもたちは約2万人。
その半数が、エイズに罹っているという。

国際社会はこの事実にずっと目を背けてきた。1969年イスラエル生まれ。ニューヨークで写真の学位を取得したジョナサン・トーゴヴニクは、約3年間、彼女たちにインタビューをし、ポートレートを撮り、こうした子どもたちの中等教育を支援するために「ルワンダ財団」を設立し、活動を続けているという。

30展の写真を収録した『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』という写真集も赤々舎から刊行されている。
私たちにできるのはまず、そういった事実を知ること。そこから出発する。

写真はこういった悲しい事実にもかかわらず、美しい。 
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by sustena | 2011-01-20 01:03 | Art/Museum | Comments(0)


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