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2010年 06月 24日

コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」

今回のコクーン歌舞伎の主人公は、ラップであった。
最初、今年のコクーン歌舞伎が、「佐倉義民傳」となったとこを知ったとき、なんでまぁいまどき,義民傳なのかしら、とチラと思ったのである。というのも、この芝居は、去年たしか歌舞伎座がもやったと思うけど、正保年間に、下総佐倉の領主の圧政に苦しんだ領民のために、名主・木内宗吾が江戸へ出て将軍に直訴し、磔になった事件を扱ったもの。名作といえば名作だけど、軽みがないし、若干アナクロっぽくって、えっ、これをコクーンで??と思ったのであります。

それを串田和美がどう料理するか。宗吾の意義申し立てを、かつての安保闘争や、ベトナム戦争や、コソボや中国やミャンマーの軍政下に苦しむ異議申し立てもすべて、同じ生きるものの叫びと位置づけたのである。

そう思えば、堀田上野介が名君たらんと、能力もないのにいい顔をしようとして、結局約束を違えてしまうのは、どこかの国の前の首相にそっくりだったではないか。

最後はブレヒトチック。

扇雀が堀田と宗吾の女房おさんの二役で好演、これがまつりごとと唱える彌十郎がピッタリ。宗吾の二人の子役がとっても上手だったな。

演出・美術 串田和美

宗吾 中村勘三郎、
堀田上野介 女房おさん 中村扇雀
名主忠蔵 井之上隆志、
浪人駿河弥五衛門 中村橋之助
城代家老池浦主計 坂東彌十郎
おぶん 中村七之助
渡し守甚兵衛 笹野高史
コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」_c0155474_0275316.jpg


by sustena | 2010-06-24 22:18 | Theatre/Cinema | Comments(10)
Commented by jmiin at 2010-06-25 05:43
このサドルは座りたくないなぁ......
Commented by higphotos at 2010-06-25 12:49
良い色合いですね。カメラは何でしょうか。
スッキリとしたスナップでかなり良い感じ。気に入りました。
Commented by Lucian at 2010-06-25 21:10 x
ベレー帽の顔ですか。
カメラ目線で微笑んでいるのがいいです。
Commented by Cakeater at 2010-06-25 22:30 x
この話は史実かどうか疑われてるはずだったと記憶してます。
家光没後の文治主義に反発して軍備増強(そのために苛斂誅求をやった)のあげく、それを幕府から評価されないと反発上申書を出して改易されて自滅したという、これまた真相がよくわからない事件の派生伝説を200年後に芝居にしたという、いろいろ想像力を掻き立てられる話です。これどうも将門伝説も深みには隠れているような気がします。個人的には、正信ってのはアルゼンチンの軍事政権が昔やった左翼・学生・反政権狩りみたいなことをやったのが惣五郎伝説になったのじゃないかなと思っております。串田さんも同じようなひらめきがあったのかなあ。
Commented by ken_kisaragi at 2010-06-25 23:06
面白いフレームの自転車・・
赤いベルとサドルのヤレタ感じに洒落感じます。
切取り、カッコいいですね!  (*^_ ’)v
Commented by sustena at 2010-06-26 15:53
jmiin さん、なぜー?あっ、ワカッタ。お尻が痛くなりそうだからでしょ。
Commented by sustena at 2010-06-26 15:54
higphotosさん、D40とたしかタムロンか60mmマクロです。
Commented by sustena at 2010-06-26 15:54
Lucianさん、顔という意識はあまり・・・・。もっとも、アップするときは、そんなふうに見えるなぁって思っちゃいましたが。
Commented by sustena at 2010-06-26 15:57
Cakeater さん、明治時代に、こういう気分があったんでしょうかね。それにしても、コクーン歌舞伎は、昔の再演が続いていたので、何をやるのか興味があったんですよ。串田さんらしい演出でした。
Commented by sustena at 2010-06-26 15:58
ken_kisaragi さん、ありがとうございます。私のやらない切り取り方です。たぶん60mmマクロで、おお、ぜんぜん入らないなぁと思って撮ったんじゃないかな。


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