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2010年 05月 17日

伊藤礼『まちがいつづき』

c0155474_22104536.jpgしぶとくもまたまた伊藤礼さんの本である。
今回のは、寄せ集めエッセイ32篇。

4つの章に分かれていて、1章は持病のことやよもやま話、2章は文壇囲碁名人戦と、中国へ囲碁ツーに行った話、3章は父の伊藤整や母、若くして死んだできた妹の話、4章は、伊藤整にたかる旧友と、ソトーかーチックにやってくる人の話を脚色したもの。

ああ、伊藤礼さんは、いまは飄々としているように見えて、若いときは鬱屈していたんだなぁ、エライ文学者が家にいるってことはけっこうしんどいのだなぁってことがうかがえる。でも囲碁の話などは、私が四、でファンになった語り口で、私が囲碁に強かったなら、もっと楽しめたのに、と思ったのだった(なにしろ、「ヒカルの碁」を読んで、囲碁の並べ方ぐらいは知りたいとDVDまで買ったのに、息子はアッという間にルールを覚えて、ゲームソフトでたいけつできるぐらいつにすぐなったのに、私はというと、数え方もおぼつかないというか、そもそもDVDを5分とも見ていないのである・・。でも、伊藤さんが団長が呉清源ならと、ウキウキと中国行きを決めちゃう、その呉清源先生のことなら、ふっふ、映画でみたからちょっとは知ってるぞ)

気に入った表現がひとつと、ビックリしたことがひとつ。

中国国内を日中友好のために転戦するときに乗った飛行機について
日本ではとあまり見たこともないような汚い中型の飛行機に、アンチョビのかんづめのようにすしづめに坐って・・・。「アンチョビのよう」が気に入ったなぁ。

びっくりしたことのほうは、お父さんの伊藤整の没後25年の文学展のために出品するものを選んでほしいと頼まれるが、伊藤礼さんは今月中にやると答えてはぐずぐずとのばしのばしにしてる。とうとう業を煮やして
担当者がやってくる。

常日頃の行いが良いひとなので、探索作業中に未開放のトリスのポケット瓶を発見する。それについて記しながらこう続ける。

 「以前、やはり父の書斎整理中に駿河屋の羊羹を発見したことがあった。お歳暮の品で四十年たっていたが大丈夫食べることができた。
 羊羹とかポケットウィスキーは書棚のなたにうまくおさまってしまうので発見がおくれるのだ。
 書斎とかダンボールのなかというのは奥深いものだから、もうなにもないと思っていても意外になにかが出てくる。人生にはこういう楽しみというものもある、ということだ」
(1994年1月 講談社刊)

I
まちがいつづき
ニョーボー
板室温泉は男女混浴
狸ビール縁起
日本語の将来
パソコン翻訳機
北海道感傷旅行
「支那の墨」
久我山のマタハリ
うまいもの情報考
笑いすぎ
腹がたっても怒らない
吐き気
肝生検
不治の病
インターフェロン
気呑雲夢
面白バス

II
文壇囲碁名人戦
中国囲碁旅行

III
母の復活
文学賞
私の母は不滅です
妖気退治
賢妹愚兄
小説家伊藤整氏
ハンチング
伊藤整氏の定理
文学展
かぼそい糸

IV
旧友
運命的関係
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GRDIII

by sustena | 2010-05-17 00:05 | 読んだ本のこと | Comments(2)
Commented by esiko1837 at 2010-05-18 06:06
「こぐこぐ自転車」を予約してるのに、まだ連絡がありません。
買って読んだほうが早かったかなと思いつつ、ものを増やすなという長女の厳命が頭をよぎります。
私は本は小説が一番好きで、エッセイはあまり読まないんですが、この本は興味あります。
探してみようっと。
青いトタンニにオレンジの花が映えて懐かしい感じの写真ですね。
上の電話の写真と同じ時代を感じます。
Commented by sustena at 2010-05-18 22:24
esikoさん、借りて読むのが正解です! この本よりは自転車の話のほうが私は好きですが、esikoさんなら、ひょっとして伊藤整につきまとう人々のことを書いたあたりがお気に召すかな?


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