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2010年 04月 25日

林望『謹訳源氏物語 一』

c0155474_0411143.jpgリンボウ先生こと、林望の『謹訳源氏物語 一』(祥伝社 2010年3月刊が出た。これがまぁ滅法おもしろい。
源氏物語は、谷崎訳から円地文子、与謝野晶子の口語訳とか、大和和紀の「あさきゆめみし」とか、田辺聖子や橋本治の超訳みたいな「窯変源氏物語」をちょこっとなど、けっこういろいろ読みかじったんだけど、今回の林さんの源氏は、実にいきいきと登場人物が動き出す。とーーーってもわかりやすく、大胆に訳していながら、読むそばから元の文がふっと浮かんでくる。

ぐだぐだ書くより、雨夜の品定めの一節をちょっと写してみよう。

左馬頭の長広舌はいよいよ佳境に入る。
「思うに、若い娘ってものは、きれいです。なにしろ苦労などしたこともないというお年ごろだ、みなそれぞれにせっせと磨き立てておしゃれに余念もない。それでね、たとえば手紙を書くときにも、おっとりと言葉を選んでね、文字だって墨黒々とはっきり書いたりはしませんでしょ。うっすらほんのりとした字で書いてくるから、男どもは、なんだか頼りない感じに受け取って、もう一度はっきりと見てみたいものだと思ってしまう。それでついつい娘たちからの文を心待ちにしているということになる。・・・・・(略)・・・・
では妻というものはどうでしょうか。妻の仕事のなかで、まずいい加減にしてはいけないのは、夫の世話ということに違いない。しかし、そういうことについて、あまりにも、趣味的過ぎるってのも困りものです。で、別段どうということもないような事柄にまで、いちいちそのご趣味(原文は傍点)を振り回されると、そりゃ余計なことだがなあと思われたりもする。といって、逆に、趣味もなく、ともかく実用一点張りで、髪の毛を耳のところにビシッと挟みこんだりしましてね、色気もなんにもなしのおかみさんが、まったく世帯じみた夫の世話ばかりしているというのも、またいかがかと思われますよ。

つるつる読めちゃうでしょう??

壮丁も美しい。なかでも造本は「コデックス装」と呼ばれる新しいやりかたで、どのページもきれいに開けるよう糸綴じとなっている。

第一巻は桐壺から若紫まで。受験に関係なくなった今は、読むのが楽しいなぁ。
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by sustena | 2010-04-25 00:41 | 読んだ本のこと | Comments(2)
Commented by higphotos at 2010-04-26 17:18
おっとまさに五月晴れ。
スカッと気持ちの良い写真ですねぇ。
逆光&シルエットがステキです。
Commented by sustena at 2010-04-26 21:58
この日はいい天気でした。それにしても、ハナミズキって、どうして虫食いみたいな花びらなんでしょう?


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