2009年 12月 05日
先月PARCO劇場で観た「海をゆく者」は、中年男5人組の、実に濃密な駆け引きと、手練のアンサンブルが楽しめる舞台だった。原作は、アイルランドの作家コナー・マクファーソン。1971年生まれで、ブロードウェイやウェストエンドでも評価が高いという。 ストーリーは─── ダブリンの海沿いの古びた家に、中年の兄弟が住んでいる。兄のリチャード(吉田鋼太郎)は、最近事故で目が不自由になり、弟のシャーキー(平田 満)が世話のために戻ってきている。兄は大酒のみで、昨晩も友人のアイヴァン(浅野和之)とともにへべれけに酔っぱらったくせに、きょうのクリスマス・イブも朝っぱらから再び酒を飲み始める。 そこに、二人の知り合いのニッキー(大谷亮介)が、酒場で出合った紳士のミスター・ロックハート(小日向文世)を連れてやってき、5人はカードゲームをはじめることになる。いったい、このロックハートは何者か。どんなねらいがあるのか。カードゲームをしながら暴かれる彼らの過去は・・・。 吉田は目が不自由になってからも、世界の中心としてふるまう豪放な性格の兄、平田は、抑制した演技で、くらーい過去を押さえ込み、兄に対してアンビバレントな思いを持つ弟を、浅野はいつもながらの、身体性を発揮しネジのちょっとはずれた男を好演。小日向文世のブキミさといったらなかった。 重たいテーマだけど笑いもあふれていて、クリスマスのおとぎ話として、終章しみじみとしたあたたかさが広がるのである。 栗山民也の演出は実に緻密。
by sustena
| 2009-12-05 23:40
| Theatre/Cinema
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