2009年 10月 05日
そうそう、旅行に行く前に文楽をみたのだった。 もうすっかり忘れちゃったけど、みたのは第2部の公演と第3部の公演。 第2部は「伊賀越道中双六」の沼津の段と「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」の酒屋の段。どちらも有名なところで、何度かみたことがあるので、今回はストーリーを気にせず楽しめた。 簑助の十兵衛、勘十郎の平助、住大夫の切で至福。酒屋の段では、嶋大夫がノリノリというか、もうたっぷりフルコース。文雀のお薗も気品があって、私はこのひとの人形は、数年前に初めて文楽を見始めたころは、なんだかそっけなく感じたものだけれど、なじむにつけ、味わい深く思うようになった。 第3部は、「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」シェイクスピアのテンペストを翻案したもの。山田庄一=脚本・演出、鶴澤清治の作曲。いったい文楽でシェイクスピアをどう料理したのかしらンという興味でみたのだけど、初演は平成4年なんだって。 西洋のまんまというのてはナンだからと、舞台を中世の日本におきかえて、阿蘇左衛門、春太郎、美登里って具合。清志郎の琴がよかった♪ 冒頭の嵐を奏でる太棹三味線もヘーェという感じ。ただしストーリーは、原作の流れを追いすぎてつまらない。シェイクスピアはセリフのおもしさに負うところが大きく、あの厖大なセリフを筋だけにしちゃうと、いかに義太夫ががんばろうとそぐわないんだなぁ。ちょっと妖精っぽい人形は、趣味がわかれるところかな。 今回は主遣いも、最初から最後まで黒衣で顔を見せなかったから、人形の動きに集中できたかというとさにあらず。人形の心の動きを表現するのに、主遣いの表情がわりと大きなウェイトを占めていたというか、ひいきの遣い手の、たとえば勘十郎の顔の表情と手の動きに見ほれているのが文楽鑑賞の楽しみのひとつだな、ということを実感。 私などは、まだ古典もちょびっとしかみていないので、もっともっと古典をみたーいと思うんだけど、文楽を豊かにするチャレンジングな試みは、1年に一度くらいなら歓迎。でも洋モノではないほうがいいと思う。たぶん。 写真はタオルミナ。保護区に指定されているイゾラベーラの浜辺にて。
by sustena
| 2009-10-05 22:14
| Theatre/Cinema
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