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2009年 08月 05日

荒木経惟『トーキョー・アルキ』

c0155474_23573973.jpg荒木経惟の『トーキョー・アルキ』(とんぼの本/新潮社・2009年6月刊)を読む。

アラーキーの街のスナップは大好きで、三ノ輪や谷根千の下町を撮ったものや、新宿を撮ったものなど、いくつも見てきたけれど、今回もまたぞろ手にとった。これは、編集者とともに、17の街を歩きながらのおしゃべりと、散歩写真をまとめたもの。

場所は───
  南青山・六本木
  銀座
  西新宿
  本郷
  佃島
  月島
  日比谷公園
  谷中・根津・千駄木
  向島
  西荻窪
  成城
  渋谷
  下北沢
  湯島
  雑司が谷
  品川
  東新宿

もしこれにアラーキーとついてなかったら、この気負いも衒いもない写真をうまいと思うか、好きか、と自問してみるんだけど、やはり、成城の仙川沿いの桜といい、渋谷の交差点の人波、犬をつれた散歩のひと、カップル、雨の下北沢、西荻の雰囲気をしっかりすくい取った写真、コンクリに水をまいたあとが手のように残り、道路を半分に影がさしてる1枚、あるいは、塀の上の猫……この人肌のあたたかさのある写真はやはりだーい好きだな、と思った。

日比谷公園の遊園地の動物たち。アラーキーを見るこどもたちの表情。スケボーの青年二人の写真の、わざとらしくなく、実にこの瞬間しかないという切り取りかた……うーん、ため息。

平凡な風景がいとおしい。ひとの生きる息づかいが聞こえてくる。人が歩いているだけの写真なのに、なんの変哲もない道なのに。このいとおしさはなんだろうか。

写真はコミュニケーションだよ。きばらなくたって、時代が写るんだよ。GRDII
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by sustena | 2009-08-05 23:57 | 読んだ本のこと | Comments(14)
Commented by jmiin at 2009-08-06 05:45
>平凡な風景がいとおしい。ひとの生きる息づかいが聞こえてくる。人が
>歩いているだけの写真なのに、なんの変哲もない道なのに。このいと
>おしさはなんだろうか。

やはりそれは、撮影者の人となりがそのまま写真になっているからだと
思います。

要は写真に写っているのは被写体では無く、実は撮影者なのですね。

迷って撮れば、迷った写真になるし、感動して撮れば感動した写真に
なるし......

ああ、イイ事言っちゃった^^;
Commented by higphotos at 2009-08-06 18:27
アラーキーの街撮りですか。。。これは観たい。
ご存知の通り、街撮りが好きですから。

散歩写真にニイオギが入ってますね。
もうちょっと西まで、三鷹とは言わずせめて吉祥寺が入っていれば買ってますね。

どこかで立ち読みできないかなぁ。
Commented by Lucian at 2009-08-06 20:05 x
巨匠の写真を見ていると、改めて写真はモチベーションだと確信してしまいます。
薄っぺらな美意識なんか吹っ飛んでしまうような、根源的なものに触れた体験を持つ人は、表現者として人に感動を伝えられるのでしょう。
Commented by sustena at 2009-08-06 22:56
jmiinさん、自分が出るというのはホントですね。ああ、おそろしい。
Commented by sustena at 2009-08-06 22:57
higphotosさん、とんぼの本ですから、立ち読みは楽勝です。
Commented by sustena at 2009-08-06 22:59
Lucianさーん、いったいどうしたらうまくなるんでしょうねぇ。私のモチベーションときたら、とにかく毎日撮るってことぐらいで・・。
Commented by Cakeater at 2009-08-06 23:02 x
「太陽」に載った荒木の「さっちん」を見たのが、記憶にあるプロの写真家の写真集の一番目でした。調べてみたら1964年。中学生にもわかるプロの写真家ってのはすごいですねえ。朝日ジャーナルの大森の写真なんかさっぱりわかんなかった。でも、荒木を追っかけて白夜書房の写真時代をせっせと買ってみてたおかげで、なんとなく大森大道もわかっていったような気分になれました。
荒木とラルティーグが好きな写真家の両横綱です。
さっそくこの本明日から休みだから買いにでかけましょう。
Commented by くろにー at 2009-08-06 23:21 x
はじめまして。いつもコッソリ拝見しているのですが、今日はたまらずコメントしてしまいました。
私、この本大好きなんですよ。
何てゆーか、眼差しがやさしいというか、あったかいというか
何気なく撮ってるふうで、でもビシッとカッチョ良くて。

当方、地方の片田舎在住ですが
トーキョーのニオイを目で感じられる(日本語、変?)カンジがします。

好きだなぁ、アラーキー。
Commented at 2009-08-07 06:57
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sustena at 2009-08-08 08:57
Cakeater さんがラルティーグとおっしゃるのは、なんとなくわかるような気が・・・。「さっちん」も大好きです。
Commented by sustena at 2009-08-08 09:00
くろにーさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

>何てゆーか、眼差しがやさしいというか、あったかいというか
>何気なく撮ってるふうで、でもビシッとカッチョ良くて。

これ、私も感じた点です。日本の写真家の中ではいちばん好きな部類なんです。
Commented by sustena at 2009-08-08 09:00
Pくん、その撮影方法、ぜひ伝授いただきたいものです。
Commented at 2009-08-09 23:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sustena at 2009-08-10 22:24
Pくん、アラーキーの撮影のときのセリフをそのまま写し取った本があってそんな感じなのね・・・。私の知り合いのカメラマンは、いい感じです!!を連発してます。


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