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2009年 05月 03日

クリント・イーストウッド「グラン・トリノ」

こもって仕事ばかりしているのも悲しかったので、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」を観てきた。

ストーリーはというと。

クリント・イーストウッドが演じる主人公は、朝鮮戦争で武勲をあげ、フォードで定年まで自動車工として勤めあげた老年のウォルト・コワルスキーだ。愛する妻に先立たれ、息子や孫たちとも心を通わすことができず、頑固一徹。教会の新米神父(クリストファー・カーリー )が生死を語るのも、戦争も知らない、頭でっかちの童貞が、と手厳しい。孫娘のへそだしルックにケータイなど、腹立たしいばかり。
そんな彼の孤独を紛らわすのは、愛犬のデイジーと、月に一度の床屋通いと、自らステアリング・コラムを取り付けたヴィンテージカーの愛車・グラントリノを磨くこと。

そんな彼の愛車を、隣に住むモン族の少年・タオ(ビー・ヴァン )が従兄のチンピラグループのスパイダーに脅されて盗みに来る・・・。

勤め先もなくおどおどと鬱屈した毎日を送るタオとの出会いが、ウォルトの心を少しずつとかしていく。最初はアジア系の移民たちに偏見に満ちた悪口を浴びせるウォルトだが、タオの姉のスー(アーニー・ハー )に食事会に招待されたり、迷惑をかけたお詫びにタオを働かせてほしいということで、タオに仕事をいいつけるうちに、かたくなな心が少しずつほぐれて行くのだ。孤独な老年のタマシイにスッと入り込むスーのキャラクターのすばらしいこと。

父親のいないタオにとって、ウォルトは父に近い存在になっていく。仕事を世話し、会話の仕方を教え、長年かけて揃えた自慢の工具を貸し与える。しかし、従兄のチンピラはタオを仲間に引き入れようと嫌がらせをする。憤慨したウォルトが、チンピラ仲間の一人を痛めつけると、彼らは隣家に銃を乱射し、スーを凌辱する。
復讐を誓い、力を貸してほしいと頼ってくるタオにウォルトは・・・

家族からも疎まれ孤独を友としてきた男が選びとった道、それは、戦場でひとを殺してきた過去を乗り越えるものだった。

過去の世界への鎮魂であると同時に、未来への希望と晴れやかさを感じさせるラストシーンにもう滂沱。トシをとって涙腺がもろくなっていることもあるけれど、今も、思い出すだけでウルウルしてしまう。

クリント・イーストウッドは本当にかっこいい。最初から、頑固だけどやさしい人ではなくて、ああ、こんなにガチガチに凝り固まってたら家族からも疎まれちゃうよなぁ、という性格なんである。それが少しずつ変わっていくところが、実によくできていて、シンプルなストーリーなんだけど、ユーモアと、じわじわとしみわたる人と人のつながりの深さがある。タオが働いているところをゆったりタバコを吸いながら見ているシーンなど、ほれぼれしちゃう。犬もいいな。

ラストシーンで流れる歌がすてき。超おすすめ。
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by sustena | 2009-05-03 21:16 | Theatre/Cinema | Comments(4)
Commented by esiko1837 at 2009-05-04 21:26
レッドクリフⅡもまだ見に行ってないのに、超お勧めと言われると、こっちも見たくなってしまいます。
DVDになってからかなあ・・・・。
写真は、透明感があって清楚で素敵。
Commented by Lucian at 2009-05-04 23:08 x
クリント・イーストウッドはダーティ・ハリー以来見ていないような…。
映画館へ行かずにDVDで観る習慣に変わりつつあります。
Commented by エリザベス at 2009-05-04 23:55 x
観てきました!皆さん、ウルウル状態に、なっていらっしゃいました。
イーストウッドの、東洋的英知には、いつも感心、脱帽!
そして、カイル・イーストウッドの音楽も。ほんとに、しゃれてます。
Commented by sustena at 2009-05-05 21:34
esikoさん、Lucian さん、何たって大画面ですよー!!
エリザベスさんは観ていらしたのですね。音楽もまたよかったですね。グラン・トリノのタイトルも、これほどふさわしいものはなくって、登場人物もみなそれぞれにカンペキ。


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