2009年 04月 17日

船尾 修写真展「カミサマホトケサマ」

c0155474_23475119.jpg新宿のエプサイトでやっている船尾修さんの「カミサマホトケサマ」を見ていると、日本でまだこんな祭りが今も続いているのかと、文化の根っこやら、深さやら、土俗的なチカラについて考えてしまう。

石仏があちこちに残り、地域ごとに祭礼や民俗行事がいまも生活のたしかな一部となっている国東半島。ここでは、日本にもともとあった原初的な民衆信仰と大陸からの天台密教が融合した、神仏習合的な文化が色濃く残っているという。
船尾 修さんは、2001年にここに移り住み、自給自足的な生活を行いながら、日本人とは何者かを探る写真を撮り続けている。

移り住んだ理由と、カミサマホトケサマにこめたねらいを、船尾さんは自身のブログでこんなふうに語っている。
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国東半島を撮影することによって、「日本人の基層にある精神性」を表現できるのではないかと考え、この地へ移住したのは8年前。やはり外からの視点だけでは無理があると思ったので、思い切って移り住んだのです。
 今の日本人はどこか根無し草のように見えます。自分は何者で、どこへ向かうのか、を自問自答しないと、この国の人々は、とんでもないところへ連れて行かれそうな予感があります。
 日本人はよく無宗教といわれますが、それはちがうと思います。逆に多様で多彩なカミサマに囲まれて、日常を過ごしています。そして日本人はもっとそのことを自覚し、自分の根っこにあるアイデンティティを再確認していく必要があるような気がしています。
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仮面姿のケベスと海で禊ぎをした白装束に身を固めたトウバが、火のついたシダの束を抱えて攻防を繰り広げる奇祭「ケベス祭り」、「鬼はうち」と五穀豊穣を願う天念寺の修正鬼会、動物の仮面をかぶって踊る「キツネ踊り」……。そんな祭りのシーンもさることながら、祭りが始まる前後の地域のひとの日常が透けて見える写真が心に残る。

船尾さんのオフィシャルサイトに、画像は小さいけれど、雰囲気が伝わる写真がアップされている。
http://www.funaoosamu.com/
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by sustena | 2009-04-17 23:51 | Art/Museum | Comments(5)
Commented at 2009-04-18 03:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by esiko1837 at 2009-04-18 06:43
なんだか、津軽の雰囲気に似ていますね。
寺山修二の世界と似ている気がします。
北と南なのに、似ている風土があるとは驚きました。
国東半島って、南こうせつも移り住んだような気がします。
住みたくなる魅力にあふれてるんですね。
Commented by nuts-co at 2009-04-18 12:02 x
いつも興味深いものを教えてもらって、ありがとう!ほんとにsustenaさんのアンテナは高性能で高感度。国東半島まで行くのはちょっと大変だけど、新宿なら簡単。うちの娘など飛んでいきそうです。
Commented by Lucian at 2009-04-18 21:12 x
「日本人の基層にある精神性」の一つはアニミズムです。
世界の主流である一神教とは相容れない代わりに、宗教的寛容性を持つようになった。その歴史的プロセスの中でドメスティックな多様性が生まれた…。という風に理解しています。
Commented by sustena at 2009-04-18 21:49
Pくん、移り住んでしまうというところがすごいなーとワタシなんぞは思ってしまいます。
esikoさん、津軽もそんな雰囲気があるかもしれません。海などは南の雰囲気がしましたが。
nuts-coさん、通り道にあるので寄っているのです・・・。
Lucianさん、アニミズムはそれぞれの民族の古層にあるような気がします。(砂漠みたいな強烈な場所はどうかわからないけれども)。日本の風土では連綿と受け継がれていて、私は八百万のカミなら信じることができるなぁ。


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