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2009年 04月 17日

『英詩訳・百人一首―香り立つやまとごころ』

c0155474_2248313.jpgピーター・マックミラン著 佐々田雅子訳『英詩訳・百人一首―香り立つやまとごころ』(原題:A Translation of the Ogura Hyakunin Isshu One Hundred Poets,One Poem Each 集英社新書 2009年3月刊)を読んだ。

以前、リービ英雄の『英語でよむ万葉集』を読んだとき、その英語の詩の美しさと、英語にしたことで普遍的な詩の心にふれた感じがして感動したので、百人一首の英詩訳と聞いて、いそいそと読み始めたのだ。

しかし、百人一首は万葉集以上に訳すのはむずかしいはず。なにしろ、序詞、かけことば、本歌取りなど、ひとつの語の意味が重層的で、高校生時代に古典で読んだときもヒーコラしたのだから。

考えただけでも頭がクラクラしそうな難事業に取り組んだのが、アイルランド生まれのピーター・マックミラン氏。1959年生まれで、杏林大学外国語学部・国際協力研究科教授であり、詩人でもある。

主語を補い、幾重にも意味があるものは、どれを捨て、どれを取るか、あるいは重ねて記すか? 何種類もの訳をつくり、和歌のリズムや韻などもなるべくオーバーラップするように、検討を重ねて語句を選びぬいていく。こうして、単なる意味の訳ではなく、声に出すと、情景が眼前に広がるすてきな詩となっている。(この間の苦労は、「日本語版のための序論」に詳しい)

ところで、私はいまでも百人一首なら諳じることができる。毎年、カルタ女王の話がニュースに出てくるたびに、最初の一文字でわかるのは「むすめふさほせ」であって・・・なんてムスコに解説していた。とはいえ、意味は・・・・・けっこうあやしいかも・・・。というわけで、実のところ、古典の文法を考えるより、平易な英語なので、元の和歌よりこのほうがずっと意味がよくとれるのである。

ちょっとひいてみよう。

藤原定家 

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ

On the shore of Matsuo Bay
waiting for you
who do not come
my heart burns
like the flames
of salt-making fires
burning fiercely
in the evening calm.

三条院
心にもあらで憂き世にながらへば恋しかるべき夜はの月かな

Though it's against my wish,
I must go on living
in this world of pain.
But from now on
I am sure I'II recall fondly
how bright the moon shone
at this hour of darkest night.

大伴家持
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける

Hpw the night deepens.
As lovers part
a white ribbon of frost
is stretched along
the Bridge of Magpie Wings.

この季節、寝室から花見ができる(去年もアップしたけど)。きのうの朝、起きがけにぱちり。
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ホントに目の前に広がっているの。
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by sustena | 2009-04-17 22:46 | 読んだ本のこと | Comments(0)


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