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2009年 02月 18日

ダニエル・マチャド展「幽閉する男」

c0155474_14213890.jpg銀座Nikonサロンで、ウルグアイ出身のアーティスト、ダニエル・マチャドさんの個展をやっている。

ウルグアイというと、大昔に地理の時間にパラグアイとかと一緒に、場所と首都の名前を覚えたぐらいで、ほとんど何も知らないのだけれど、1930年代ごろは「南米のスイス」をめざして国造りが行われ、南米では珍しく政治が安定していたが、50年代後半から経済が停滞し、70年代に軍政が敷かれ、その後の経済破綻によって次第に衰退の道を辿ったという。

この展覧会は、20世紀の前半のウルグアイで、国会議員や軍の幹部を輩出した由緒ある中流階級に生まれ、その後、内務省法務部門の最高幹部を務めた一人の男・ホセが、一人またひとりと家族がなくなり、叔母を見送った後、モンテビデオのパティオ付きの邸宅にたった一人取り残され(独身だった)、記憶とともに暮らしている様子を撮ったもの。展覧会の惹句によれば「輝いた過去を閉じ込めて守ろうとして、自らも幽閉してしまった男」。

32点のカラー写真は歴史とともに閉じこめれた現在の室内とホセの写真、8点のモノクロは往時の栄華を思わせる家族写真やポートレート。

テーブルの上に半分枯れた植物の入った植木鉢が無造作に重なっている。ソファはぼろぼろ。壁ははがれ、玩具も表面がはがれ落ちている。がらーんとした室内、いまも時を知らせているのか、あるいは止まったままなのか、大時代な柱時計・・・。色はくすんだヨーロピアンで。。。。小川洋子の小説の舞台みたい。過ぎ去った時間が幾層にも積み重なっている。

言葉をあれこれ紡ぐより、作家のサイトを見たほうが早い。この写真たちだ→
ロデルー プロジェクト

このホセとはどうして知り合ったの?と質問したら、ゴッドファーザーだ、とのことだった。2002年から2007年の間に何度も訪れて撮ったのだという。

ダニエル・マチャドさんは、1973年モンテビデオ生まれ。ウルグアイ東方共和国立大学建築学科にて建築・コンピューターグラフィックス専攻。建築課程修了。2000年より写真制作を始め、ブエノスアイレス(アルゼンチン)でフォトグラファーとして活動。06年より東京在住。タンゴの写真、黒と白の幾何学のリズムの建築写真、ウルグアイの街角…マチャドさんのサイトのどの写真も興味深い。

超おすすめ。3月3日まで。

銀座Nikonサロン近くの東京銀座ビルの駐車禁止のスタンドと、そのビルのテナントのショーウィンドウ越しの一枚。GRDII
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by sustena | 2009-02-18 14:25 | Art/Museum | Comments(2)
Commented by higphotos at 2009-02-19 18:31
錆、でましたね。
GRって錆写真がイイですよねぇ。錆用カメラ?。。。何かヤですね。
Commented by sustena at 2009-02-19 21:25
錆もさることながら、自分でレタリングしたようなこの字体が、いま一つ押しが弱くて、コソコソしている感じが気に入ったんです。でも錆には深入りしないようにしよう・・・。


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