2009年 02月 18日
国立劇場小劇場で文楽2月公演の第2部と第3部を見る。 第2部は「敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)」。 隣あわせの春藤・須藤の両家が、須藤六郎右衛門が春藤助太夫を殺したことから、春藤家の息子たちが仇討ちすることになるのだが、助太郎(簑助)が愚鈍で、足手まといになると、実の母(和生)がわが手で殺してしまう。須藤家のお霜と春藤家の新七(清十郎)は婚約していたが、仇の娘では添い遂げることができないとはかなんで、お霜は自害してしまう。一方、敵討ちに出かけた助太夫の子の次郎右衛門(玉女)と新七は、臥薪嘗胆、ぼろをきて敵討ちを果たす日を待ち,ついに本願成就というお話。 えー、敵討ちのためにここまでするか?という今の感覚からすると???!!!なのだけれど、なんといっても、簑助のパープリぶりがすばらしく、和生の、子を思う気持ちが哀れで、心にしみるのだった。 大安寺堤の段の住大夫が、いつにまして聞かせる。(本を読んだので親近感がさらに増したためかもしれない)。文字久大夫が休演だったので、咲甫大夫が春藤屋敷出立の段と最後と二度登場。ファンだったのでうれしかったけれど、住大夫のあとだと、ちと荷が重かったかも。 第3部の「女殺油地獄」を見るのは二度目。前回は美しい人妻のお吉は簑助だったが、今回は紋寿。なんといっても、悪辣な河内屋与兵衛をつかう勘十郎がすばらしい!!親に意見されてもソッポを向き不敵に笑う横顔、最後の油まみれになりながら、お吉を殺す場面の凄絶なこと。舞台をすーっとすべるシーン、足と手の遣い手との息もピッタリ。燕三の三味線は最高!! 咲大夫は、出だしが聞き取りにくく閉口したけれど、後半ぐっと盛り上がる。河内屋内の段の呂勢大夫も、与兵衛を勘当するシーン、聞かせました。 近くの公園では梅が見ごろです。
by sustena
| 2009-02-18 01:08
| Theatre/Cinema
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Comments(4)
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jmiin at 2009-02-18 05:36
ああ、季節が巡っているのを実感しますねぇ.....^^;
やだやだ、歳を取ってる訳です。
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nuts-co
at 2009-02-18 08:12
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敵討襤褸錦、女殺油地獄・・・漢字ってすごいなあと思います。もう見ただけで芝居が始まる感じがする。
紅梅の紅の色は独特ですね。静かな抑えた紅。この色、印刷屋さんなどはなんて呼ぶんだろう。
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higphotos at 2009-02-18 10:21
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sustena at 2009-02-18 23:36
jmiinさん、5年前だったらたぶん花を撮るなんてことはしなかった。やはりトシなのでしょうか……。
nuts-coさん、歌舞伎や浄瑠璃のタイトルの読み方にはいつも苦労します。でもイイですよね。 higphotosさんこんにちは♪ マクロの世界と、花を引きで撮るのとはまた全然違いますよね。どっちもむずかしいけど、引きは特にどう切り取っていいのか、どんなふうにピンをもってきたらいいのか????です。 |
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