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2009年 01月 29日

長倉洋海「人間交路 - シルクロード」

コニカミノルタプラザで開催中の長倉洋海さんの写真展「人間交路 - シルクロード」を観た。

長倉洋海さんは1952年、北海道釧路市生まれ。大学時代から探検部に属し、通信社勤務を経て、1980年よりフリーランスの写真家として、中東、アフリカ、中米など世界各地の紛争地を取材し、ゲリラや、そこで生きる子どもたちなどをいきいきと描き出した。
以前、「グレートジャーニー」の関野吉晴さんとの対談『幸福論』を読んで、現代の私たちがなくしてしまったものを追い続ける視点の揺るぎなさに感銘を受け、写真集でしか観たことがない長倉さんの写真を間近でみようと、出かけたのだ。

今回の写真展は、大学生時代にシルクロードに憧れアフガニスタンに向かったという、長倉さんの原点ともいうべきシルクロードを舞台に、西安、中央アジア、チベット、トルコ・・・と、この5年間にまわった、11カ国6万kmの取材で出会った風景とそこで暮らす人を描き出したもの。

色が実に印象的だ。サマルカンドのモスクの目にしみる青、夕日に染まるシリアのアレッポ城の赤、民族衣装のとりどりの色、日よけのパラソルに映ったシルエット…。

子どもたちの目や顔も。移動用テント「ユルタ」の入り口に草原の花を飾る少女、冬虫夏草をとるために、5150メートルのところまで登る少年の顔に雪が舞う。その孫悟空みたいに真っ赤で真剣なまなざし。カメラに向かって泣くまいとこらえる少年は、まるで天地人の泣き虫与六みたいだった。

ヒマラヤの青空に山々がきりりとそびえるショット、チベットの「神の山」の水たまり、トルコのエユップモスクのイズミックタイルに映るミナレットの姿……。どれも深い印象を残す。

国境を消す旅でもあったと、長倉さんは書く。

会場の外で、液晶画面に映し出されるスライドショーにも釘付け。ちょうど長倉さんもいらして、1歳ぐらいの子どもに、ラクダを見たことがないよね、と話しかけながら写真集にサインをしてた。

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別の2会場では、岩本浩典さんの多重露光をして、まったく別の風景を重ねた「WARNING!」。どんな写真を重ねるかが思案どころ。とはいえ、ちょっと作りすぎの感も。最近はデジタルでなんでもできるという感じがしちゃうので、ワタシとしては、たった1回、その場限りのショット、というのにひかれてしまう。(アッ、もちろん岩本さんはものすごく力のあるひとだと思う)

織田健太郎さんの「confrontations」は、電車の窓から見た風景。踏み切りで待つ人、道を歩く人。どの人も撮られるとは思っていない、無防備な表情が並ぶ。「だからなんなんだ!」、と言われると困るんだけど、たしかに、そんな人々が通りすぎる町の風情。日本のどこにでもある姿なんだけど、5年10年たったら、明らかに、過ぎ行くひとたちの雰囲気は違ってくるのかなぁなんて思った。
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by sustena | 2009-01-29 10:59 | Art/Museum | Comments(0)


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