2009年 01月 24日
本日より、3月29日まで、川崎市民ミュージアムで、開館20周年記念『複々製に進路をとれ 粟津潔60年の軌跡』がスタートした。昨晩は、その内覧会とオープニングレセプションがあって、知人がイベント企画に携わったことから、招待券をいただき、出かけてきた。♪役得♪ 粟津潔さんは、ここであらためて記すまでもない、日本のグラフィックデザイナーの先駆けのひとり。グラフィックデザインの範疇にはおさまらぬ、幅広い活躍をしたひとで、川崎市民ミュージアムの発足にもかかわったとのこと。 展覧会は6つのパートに分かれている。 1940年代:すべては荒野だった 1950年代:グラフィックデザインの先駆者 1960年代:複々製に進路をとれ 1970年代:グラフィズム 1980年代:コピー(複製)とオリジナル(独創)の間を行き来する 1990年代以降 :私は好奇心の塊のような人間で、今日までやってきた 作品数も約350点ポスターや版画にはじまり、漫画、写真、映像、ペインティング、彫刻、ブックデザインと幅広い。 圧巻は60年代70年代のポスター群。文学座のポスターなど、懐かしいものもあったなぁ。 阿部定のポートレートの載った新聞を大きくのばした作品も印象的で(ちょうどウォーホールにとってのモンローみたい)。 さて、オープニングレセプションでは、篠田正浩さん、針生一郎さん、粟津潔のご長男などのスピーチのあと、乾杯の音頭は菊竹清訓さんが、続いて「即興画譜」と題したパフォーマンスが。冒頭、赤と黒の衣裳に身を包んだひとたちが、ボトルをたたきながらあらわれ、逍遥展示空間の中央で黙々と赤と黒のシルクスクリーン印刷を。黒衣たたちは、それを取り囲み、思い思いのパーカッションを。左手奥では、アーティストの浜田剛賢さんがアーとかウーとか、音にあわせながら声を出し、どろりとした樹脂みたいな液体(ハチミツとのことだった)を床に置いた容器に垂らしてる。右手奥ではの林英哲さんの太鼓。胃の腑に響いてくるんだけれど、不思議なやわらかさがあったなぁ。次第にテンポアップしていって、なんだか不思議空間だった。印刷していたのは、粟津さんの70年代のシルクスクリーンの作品の複製。一枚ずつお土産にもらった。これまたラッキー(でも飾るところがない・・)。 このあと、会期中の週末は、谷川俊太郎さんと谷川賢作さんのコンサートがあったり、電子音楽のライブがあったり、さまざまなパフォーマンスがここで行われる予定。出会いこそが新たなアートと、社会のダイナミズムをうむという粟津さんの意図を反映したものという。 写真 シルクスクリーンの印刷。大きなロールから紙が繰り出される 照明が赤くなったり。正面奥にあるのは、先般なくなった福田繁雄さんの作品 これって、ボウルを叩いているのかな?
by sustena
| 2009-01-24 12:39
| Art/Museum
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Comments(3)
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sa55t at 2009-01-24 17:35
うわぁ、あのでかいホールでやっているんですね。
見たかった。 ここは前回ベッヒャー見たのが最後です。
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nuts-co
at 2009-01-24 17:53
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「複々製に進路をとれ」ってタイトルを思いついたとき、ちょっと嬉しかったでしょうねえ。
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sustena at 2009-01-24 22:23
常設展にいろんな写真がありました。17時で常設展は閉まっちゃったので、見ることができませんでした(T_T)。
「複々製に進路をとれ」というフレーズは、赤瀬川原平が1960年代後半にヒッチコックの映画をパロって使い始めたらしいです。 |
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