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2008年 12月 10日

ギャラリー・間「安藤忠雄建築展〔挑戦─原点から─〕」

c0155474_2257169.jpg乃木坂にあるTOTOのギャラリー・間「安藤忠雄建築展〔挑戦─原点から─〕」をやっている。日本を代表する建築家・安藤忠雄さんの住吉の長屋に始まり、光の教会、六甲の集合住宅、東大の福武ハウスや、東急東横線渋谷駅の地宙船空間、ベニスやアブダビ、メキシコ、バーレーンの遺跡博物館など、現在進行中の海外の巨大プロジェクトまで、30数年に及ぶ建築活動を、彼の建築を読み解くキーワードで再編集して、スケッチや模型、設計図、写真、ビデオなどとともに紹介したもの。

目玉は、なんといっても、彼の出発点ともいうべき「住吉の長屋」を原寸で再現したことである。

住吉の長屋は、大阪の棟割長屋に建てられた、コンクリート打ち放しの、間口3.3m、奥行き14.1m、15坪足らずの2階建ての小さな家だ。眼目は、細長いこの箱の中央部3分の1を屋根も何もない中庭としたこと。1階、手前にひとつ玄関とつながる部屋があって、中庭の奥はダイニングキッチンと浴室・トイレ、二階はデッキによってつながれた2つの個室で片方が寝室。雨が降っていたら、部屋から部屋の移動にも傘をさしていかなければならないのである。

この構造は何度も写真で見ていたし、寸法も知っていた。でも、原寸模型を見て、あらためて、サイズを実感した。こんなにも小さい・・・・。そして、中庭から見える青空、光、空気のすがすがしさ!(「ギャラリー・間」は、TOTOビルの3・4階にあるのだが、ちゃんと、この展示では、空が仰げる。今回、ギャラリーと中庭の間のガラスの仕切りを取り外してしまったのだという)

なるほど、これは本当に住み手に「覚悟」を要求する家だ。どんな家具を置くべきなのか、家電製品が本当に必要なものなのか、真剣に家族で議論することになるだろう。住まいに何が必要かを常に意識し続ける家。住みにくさにヘキエキすることもあったかもしれない。でも、住み続けることに誇りが持てる家にちがいない。

建築展に寄せた安藤のメッセージ「建築をぬける風」にこうあった。

「・・・住まいとは何かを徹底的に考えた末、私は、自然と共にある生活にこそ人間生活の原点があるという結論に行き着いた。スペース、コストともに極限に近い条件下での都市住宅――だからこそ安易な便利さより、天を仰いで“風”を感じられる住まいであることを優先した」

そしていうのだ。長屋でも大規模プロジェクトでもいつも心に描いているのは同じだと。

「人々の心に生の感動をもたらす建築をぬける“風”の情景、自然と共生しつつそこに住まう人間の意志を表現していく建築だ」と。

建築を学んでいるだろう学生さんが熱心に見ていた。安藤さんのこれまでの建築を撮った写真が実にカッコよかった。

写真、左の青いのがTOTOビル(ほとんど写ってないけど)。LX3
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by sustena | 2008-12-10 23:00 | Art/Museum | Comments(2)
Commented by jmiin at 2008-12-11 05:51
安藤忠雄の設計したお寺に行った事がありますが、とにかく凄いと思いました。
建築物と言うより、立派に「作品」と言う感じがしましたね。とにかく次元が
違うと痛感しました。その場に立って、見ると言う行為が、作品の一部に
なっている.....あり得ない世界だと舌を巻きました。
Commented by sustena at 2008-12-11 22:57
「住吉の長屋」を見ながら、人間に必要な面積はどれくらいかなぁって考えました。方丈ほどかな。でも、外も何も見えなかったら絶対にイヤ。自然が感じられるからこその方丈です。それを作品にしちゃったすごさ。施主もすごいけど。


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