2008年 11月 02日

原美術館「米田知子展-終わりは始まり」

昨日、品川の原美術館に行ってきた。お目当ては、米田知子さんの写真展である。

原美術館は、奈良美智展以来で、ここは建物そのものがすばらしく、館内の曲線、白い壁の素材感、カーテンごしに映る影など、それだけでアートだっと思える。ジャン=ピエール・レイノーのタイルでできた「ゼロの空間」、宮島達男の発光ダイオードを使った数字の連なりの「時の連鎖 1989-94」、森村 泰昌の「輪舞 1994」や奈良美智の部屋に再会できたのも嬉しかった。

さて、米田知子さんの写真展である。ホームページに3点写真が載っているので、そちらを見た方がどんな写真展か、わかりやすいかもしれない。

たとえば「シーン」と名付けられたシリーズ。
尾崎とゾルゲが出会った場所、サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道、ベイルートで狙撃手の視点から見た風景、満州事変勃発となる関東軍が爆破をしかけた線路を望んだ写真、血の日曜日事件のあった現場……。一見平凡な風景が、タイトルを見、歴史的事件のあった場所としての記憶を背負うと、違う意味をまとい、今の風景と過去とが重層的に重なって立ち上ってくる。

「見えるものと見えないもののあいだ」というシリーズは、著名人の眼鏡ごしに、それぞれ関連の深い書簡や手紙、書籍などを見たもの。

タイトルをそのままひく。

  マハトマ・ガンジーの眼鏡──『沈黙の日』の最後のノートを見る
  フロイトの眼鏡──ユングのテキストを見る
  ヘッセの眼鏡──兵士の写真を見る
  谷崎潤一郎の眼鏡──まつ子婦人への手紙を見る
  マーラーの眼鏡──交響曲(未完成)第10番の楽譜を見る

  他に、トロツキーやル・コルビュジェ、ジョイス、ブレヒトの眼鏡の写真があった。

「トポグラフィカル・アナロジー」と題された壁紙も、その色合いの静謐さに惹かれた。11月30日まで。

開館を待つ。
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近くは閑静な高級住宅街。あるお宅の入口は、いろいろな小物を配置していて、それだけでおしゃれ。
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by sustena | 2008-11-02 22:51 | Art/Museum | Comments(0)


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