2008年 11月 01日
「信じるに足る真実」はこの世に存在しうるのか?繰り返される歴史の中で、人間は何を信じて進歩の道を拓くのか? ロバート・アラン・アッカーマンの世界初演戯曲! という惹句に釣られて、世田谷パブリックシアターでthe companyの「1945」を見た。原作は、芥川龍之介「藪の中」。戦災で焼け、闇市とパーと空き地が広がる1945年、太平洋戦争終結後の日本が舞台。 前の夜、若妻をつれ、ペニシリンを買い求めに闇市に高級車でやってきた一人の男が殺された。その真相は? 進駐軍の裁判官の前で、みなそれぞれに異なる「真実」を話す。 男を殺したのは誰か?それとも自殺か? 真相は杳としてしれない。ひとはみな、自分の見たいものしか見えない、見ようとしないのだ。 ストーリーに驚きはない(なにしろ、藪の中ですから・・)。繰り返される大きな国家のウソにも言及したいようなのだが、ちょっとっちつかずの感がある。 闇市の群衆シーンはいいのだけれど(なんと80人近くの役者!)あとは、うーん・・・。メインの役者がみないまいち・・。朝鮮人役のパク・ソヒに、もっともっと存在感がほしいなぁ。ときどき学芸会のような感じになるのが気にかかる。運命の女ももっと妖しいといいなぁ・・。 せっかくフィルム・ノワールタッチで迫っていて、バックを流れるジャズの音もいいんだけど。 [脚本] 青木豪 [脚本・演出] ロバート・アラン・アッカーマン [出演] 光武紗耶子……中村ゆり 光武弘……山本亨 大木襄……パク・ソヒ 哲……瀬川亮 タミ……松浦佐知子 半田……高橋和也 紗耶子の母……有希九美 タミを案内する日本人警官……深貝大輔 山根……斉藤直樹 大木を連行する日本人警官……矢内文章 ユキ……宮光真理子 若いポン引き……倉本朋幸 パンパン女……呂美 写真は世田谷線ぞいに見た空。GRDII
by sustena
| 2008-11-01 00:29
| Theatre/Cinema
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